【社長の悩み解決】「指示待ち」社員を「自走」社員に変える!従業員の主体性を引き出す関わり方
「言われたことしかやらない社員が多くて困る…」
「もっと自分で考えて動いてほしいのに…」
「どうすれば、社員の主体性を引き出せるのだろうか?」
経営者や管理職の方から、社員の「指示待ち姿勢」に関する悩みをよく伺います。変化の激しい現代において、社員一人ひとりが主体的に考え、行動する「自走式」の組織を作ることは、企業の成長と存続に不可欠です。自走する社員が増えれば、生産性が向上し、新しいアイデアが生まれやすくなり、組織全体の活気も高まります。
しかし、「指示待ち」は社員個人の問題だけではありません。実は、上司や会社の関わり方が、社員の主体性に大きく影響しているのです。
今回は、「指示待ち」社員がなぜ生まれてしまうのか、その背景を探るとともに、社員が自ら考え、動き出す「自走社員」へと変わるための「主体性を引き出す関わり方」について、具体的な5つのヒントを外部データなども交えながら解説します。
なぜ「指示待ち」社員が生まれてしまうのか?
社員が主体的に動けない背景には、様々な要因が考えられます。
- 失敗への恐れ: 「失敗したら怒られる」「責任を取りたくない」という気持ちから、指示された範囲内でしか動けなくなる。
- 目的・目標の不明確さ: 何のためにこの仕事をしているのか、何を期待されているのかが分からないため、自分で判断できない。
- 裁量権の欠如: 自分で考えて工夫する余地がなく、すべて指示通りにこなすことが求められる環境。
- 情報不足: 判断に必要な情報が与えられていないため、自分で考えようがない。
- 上司の過干渉: 細かいことまで指示されたり、マイクロマネジメントされたりすることで、自分で考える意欲を失ってしまう。
- 成功体験・成長実感の不足: 自分で考えて行動し、成功した経験や、それによって成長できた実感が少ない。
これらの要因は、社員の意欲を削ぎ、「言われたことだけやっていればいい」という受け身の姿勢を生み出してしまいます。
社員の主体性を引き出す!5つの関わり方のヒント
では、どのように関われば、社員の主体性を引き出すことができるのでしょうか? 日々のコミュニケーションやマネジメントで意識したい5つのヒントをご紹介します。
ヒント1:「任せる」勇気を持つ(権限委譲)
主体性を育む第一歩は、仕事を「任せる」ことです。失敗を恐れず、信じて任せてみましょう。
- スモールスタートでOK: 最初から大きな仕事を丸投げする必要はありません。まずは小さな範囲や判断から任せてみましょう。
- 目的・ゴール・期待を明確に: 何のために、何を目指してほしいのか、期待する役割は何かを具体的に伝えます。プロセスはある程度任せ、結果に対する責任を持ってもらう意識で。
- 失敗は学びのチャンスと捉える: 失敗しても責めるのではなく、原因を一緒に考え、次に活かすための学びの機会と捉える姿勢が重要です。「何かあったら責任は取る」という上司の覚悟が、部下の挑戦を後押しします。
ヒント2:「問いかけ」中心のコミュニケーションを心がける
指示や命令ばかりではなく、「問いかけ」によって社員自身に考えさせるコミュニケーションを意識します。
- 「どうしたらいい?」ではなく「どうしたい?」「どう思う?」: 答えを教えるのではなく、まずは本人の考えや意見を引き出す質問を投げかけます。(例:「この課題について、あなたはどう思う?」「どんな方法が考えられるかな?」)
- 傾聴し、考えを深掘りする: 相手の話を最後まで聞き(傾聴)、さらに考えを深めるような質問を重ねます。(例:「なぜそう思うの?」「他にはどんな可能性がある?」)コーチング的なアプローチが有効です。
- 定期的な1on1ミーティング: 業務の進捗確認だけでなく、本人の考えや悩みを聞き、対話を通じて内省を促す場として活用します。
ヒント3:「内発的動機づけ」を刺激する
「給料のため」「怒られたくないから」といった外からの動機(外発的動機づけ)だけでなく、「面白いからやりたい」「成長したい」「貢献したい」といった内からの意欲(内発的動機づけ)を引き出すことが重要です。
- 仕事の意義や目的を伝える: その仕事が顧客や社会にどう役立っているのか、会社のビジョンとどう繋がっているのかを伝え、仕事への意味づけを促します。
- 本人の興味・強みを活かす: 可能であれば、本人が関心を持っている分野や得意なことを活かせるような業務を任せてみます。「好きこそものの上手なれ」です。
- プロセスや努力も承認する: 結果だけでなく、工夫した点や頑張ったプロセスを具体的に認め、称賛することで、「やらされ感」ではなく「自分の仕事」という意識を高めます。
【参考】自己決定理論 心理学の「自己決定理論」では、人は「自律性(自分で選びたい)」「有能感(できるようになりたい)」「関係性(人と繋がりたい)」が満たされると、内発的なやる気が高まるとされています。上記のような関わり方は、これらの欲求を満たすことにも繋がります。
参考:自己決定理論におけるウェルビーング|自律性・有能性・関係性の充足が私たちのウェルビーングを高める
https://note.nec-solutioninnovators.co.jp/n/n8a0362f8960e
ヒント4:「成長実感」と「自己効力感」を高める
「やればできる」「自分は成長している」という感覚(自己効力感)は、主体的な行動を後押しします。
- 少し背伸びした目標設定: 簡単すぎず、難しすぎない、本人の努力次第で達成可能な「ストレッチ目標」を設定し、挑戦を促します。
- 小さな成功体験を積み重ねる: 目標達成や課題解決といった成功体験を積み重ねられるようサポートします。成功体験が自信につながります。
- 経験からの学びを促す: 成功からも失敗からも、「何がうまくいったのか」「次はどうすればよいか」といった学びを本人が言語化できるよう、対話を通じて支援します。
- 学習機会の提供: 必要なスキルを習得するための研修や書籍などを提供し、「できるようになる」ための支援を行います。
ヒント5:「心理的安全性」のある環境を作る
「こんなこと言っても大丈夫かな?」「失敗したら責められるかも…」といった不安があると、社員は自由に発想したり、挑戦したりすることができません。
- 意見やアイデアを歓迎する姿勢: どんな意見でもまずは受け止め、「良いね」「面白いね」といったポジティブな反応を示す。たとえ採用できなくても、意見を出してくれたことに感謝を伝える。
- 質問しやすい雰囲気: 分からないことを気軽に聞ける、困ったときに相談できる雰囲気を作る。上司自身が完璧でない姿を見せることも有効です。
- 失敗を許容し、責めない文化: 挑戦に伴う失敗は、個人を責めるのではなく、組織としての学びの機会と捉える文化を醸成します。
【参考】心理的安全性とは Google社の調査などで注目された概念で、「チームの中で、対人関係のリスク(無知、無能、否定的、邪魔だと思われること)を恐れずに、安心して発言・行動できる状態」を指します。主体性やイノベーションの土台となる重要な要素です。
参考:心理的安全性の広まりにはGoogleの研究が大きかった!その中身とは? チームの定義や心理的安全性測定の方法などを解説
https://panasonic.co.jp/ew/pewnw/switch-times/healthy-management/301017.html
まとめ:主体性は「育てる」もの。関わり方次第で組織は変わる。
「指示待ち」は、社員個人の資質の問題だけではなく、組織の文化や上司の関わり方によって作られてしまう側面があります。逆に言えば、経営者や上司の関わり方次第で、社員の主体性を引き出し、「自走社員」を育てていくことは可能です。
今回ご紹介した5つのヒントは、すぐに完璧にできなくても構いません。まずは一つでも意識して、日々のコミュニケーションやマネジメントに取り入れてみてください。
社員一人ひとりが主体的に考え、動き出す組織は、変化に強く、活気に満ち溢れています。自走する社員を育てることは、会社の未来を明るく照らす、最も重要な投資の一つと言えるでしょう。
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