【社長の悩み解決】「給料以外」で惹きつける!中小企業ができる魅力的な会社の見せ方

「給与では大手企業に太刀打ちできない…」
「会社の魅力を聞かれても、うまく説明できない…」
「どうすれば、自社に合った人材に興味を持ってもらえるだろうか?」

採用活動や社員の定着において、「給与や待遇面で大手に見劣りする」と感じている中小企業の経営者は少なくありません。もちろん、生活の基盤となる給与は重要ですが、働く魅力は決して「お金だけ」ではありません。

特に近年、働き手の価値観は多様化しており、「何のために働くのか」「どんな環境で成長したいか」といった点を重視する人が増えています。

今回は、中小企業が「給料以外」の魅力で人材を惹きつけ、選ばれる会社になるための「魅力的な会社の見せ方」について、具体的な方法とポイントを外部データも交えながら解説します。

なぜ「給料以外」の魅力が重要なのか?

現代において、「給料以外」の魅力がますます重要になっている背景には、以下のような点が挙げられます。

  1. 働き手の価値観の多様化: 終身雇用が当たり前ではなくなり、仕事に求めるものがお金だけでなく、やりがい、成長、社会貢献、ワークライフバランスなど、人それぞれ多様になっています。
  2. 若手世代の仕事観の変化: ミレニアル世代やZ世代と呼ばれる若い世代は特に、企業のパーパス(存在意義)や社会貢献性、自己成長の機会、風通しの良い社風などを重視する傾向があると言われています。
  3. エンゲージメント向上への影響: 社員が自社に愛着や誇り、貢献意欲(=エンゲージメント)を持つためには、給与だけでなく、仕事内容や人間関係、成長機会といった非金銭的な要素が大きく影響します。エンゲージメントの高い組織は、生産性や定着率も高い傾向があります。

【外部データ】企業選びで重視する点

民間の就職活動に関する調査などを見ると、若者が就職先を選ぶ際に「自分のやりたい仕事ができるか」「社内の雰囲気が良いか」「社会貢献度が高いか」といった点を重視する割合が増加傾向にあります。

ガクセイ協賛「就職活動における企業選びのポイント、優先順位を徹底解説」
https://www.gakuseikyosan.com/media/?p=1777

つまり、給与以外の魅力をしっかりと「見せる」ことが、採用成功や社員定着に不可欠なのです。

魅力的な会社の見せ方:5つの切り口

では、具体的にどのような魅力を、どのように見せていけばよいのでしょうか? 5つの切り口で考えてみましょう。

切り口1:会社の「パーパス(存在意義)」と「ビジョン」を熱く語る

「この会社は何のために存在するのか」「将来どこへ向かおうとしているのか」を明確に示し、共感を呼ぶことが重要です。特に中小企業では、経営者の想いが伝わりやすいという強みがあります。

  • 社会への貢献: 自社の事業が、顧客や社会のどのような課題解決に貢献しているのかを具体的に語る。(例:「地域の食卓を豊かにする」「〇〇の技術で人々の安全を守る」)
  • 未来へのビジョン: 会社として目指している将来像や目標を、ワクワクする言葉で示す。(例:「3年後に〇〇分野でNo.1になる」「社員全員が誇りを持てる会社にする」)
  • 経営者の情熱: 創業の経緯や事業にかける想い、大切にしている価値観などを、経営者自身の言葉で正直に、熱意を持って伝える。

切り口2:「働きがいのある仕事」を具体的に見せる

日々どんな仕事をするのか、そこでどんな経験が得られるのかを具体的に示すことで、入社後のイメージを持ってもらいやすくなります。

  • 仕事の面白さ・奥深さ: 単なる作業内容だけでなく、仕事の醍醐味や難しさ、工夫できる点などを伝える。(例:「お客様から直接『ありがとう』と言われる瞬間」「試行錯誤して新しい製品を生み出すプロセス」)
  • 裁量権と挑戦機会: 若手でも責任ある仕事を任せてもらえる、新しいことにチャレンジできるといった環境をアピールする。失敗を許容する文化があれば、それも魅力になります。
  • 成長できる実感: 入社後にどのようなスキルが身につくのか、どのようなキャリアステップが考えられるのかを示す。研修制度や資格取得支援があれば具体的に紹介する。

切り口3:「良好な人間関係と社風」をリアルに伝える

「どんな人たちと働くのか」「どんな雰囲気の職場なのか」は、多くの求職者が気にするポイントです。抽象的な言葉だけでなく、リアルな姿を見せることが大切です。

  • 職場の雰囲気: 写真や動画を活用し、オフィスや工場、働いている社員の様子を見せる。社員同士のコミュニケーションが活発な場面(会議、休憩中など)を紹介する。
  • 社員の人柄: 社員インタビュー記事や動画を作成し、仕事への想いや入社の決め手、職場の好きなところなどを語ってもらう。様々な部署、役職、年齢の社員を紹介すると良いでしょう。
  • チームワークや文化: 助け合いの文化、部署を超えた連携、社内イベントの様子などを具体的に伝える。「風通しが良い」なら、それを裏付けるエピソード(社長との距離が近い、提案がしやすいなど)を添える。

切り口4:「働きやすさ」への配慮を具体的に示す

社員が安心して長く働ける環境があることを示すのも、重要な魅力の一つです。

  • ワークライフバランス: 残業時間の削減目標や実績、有給休暇の取得率や取得奨励策などを具体的に示す。「ノー残業デー」や「プレミアムフライデー」のようなユニークな取り組みがあれば積極的にアピールする。(※無理のない範囲で)
  • 柔軟な働き方: テレワーク、フレックスタイム、時短勤務、副業など、多様な働き方を支援する制度があれば紹介する。
  • 福利厚生: 法定福利(社会保険など)だけでなく、住宅手当、家族手当、社員食堂、保養所、ユニークな休暇制度(誕生日休暇など)といった法定外福利の内容を具体的に伝える。
  • 快適な環境: 清潔で働きやすいオフィス環境、休憩スペースの充実、安全衛生への取り組みなどもアピールポイントになります。

切り口5:地域社会への「貢献」をアピールする

特に地方の中小企業にとっては、地域とのつながりも魅力となり得ます。

  • 地域イベントへの参加・協賛: お祭りや清掃活動など、地域貢献活動の様子を発信する。
  • 地元からの積極採用: 「地元で働きたい」というニーズに応える姿勢を示す。
  • 環境への配慮: 環境に配慮した事業活動や省エネへの取り組みなどをアピールする。

【これらの魅力をどう発信する?】

  • 自社ウェブサイト(採用ページ): 情報を集約し、最も詳しく伝える場。
  • SNS(Facebook, Instagram, X など): 日常の様子や社風を気軽に発信。
  • 求人媒体: 各媒体の特性に合わせて、最も伝えたい魅力を凝縮して載せる。
  • 会社説明会・面接: 直接対話し、リアルな魅力を伝える絶好の機会。
  • 社員による紹介(リファラル採用): 社員自身の言葉で語られる魅力は説得力が高い。

まとめ:自社らしさを、正直に、具体的に伝え続けよう

「給料以外」の魅力は、一朝一夕に作れるものではありません。しかし、多くの中小企業には、経営者の想い、仕事のやりがい、アットホームな社風など、独自の魅力が必ず眠っています。

大切なのは、まず自社の魅力を再発見し、それを「見える化」し、ターゲットに響く言葉で、正直に、具体的に伝え続けることです。

魅力は「作る」だけでなく「見せる(伝える)」努力をすることで、初めて価値を発揮します。今回の記事を参考に、ぜひ貴社ならではの魅力発信に取り組んでみてください。それが、採用力の強化と社員の定着につながり、会社の持続的な成長を支える力となるはずです。


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